二度と見られない光景―福山秀治《ミルク瓶のふた》
13,000点をこえる横浜美術館のコレクション作品から、毎月選りすぐりの1点をご紹介するシリーズ。学芸員がコンパクトに解説します。おなじみの作品も、はじめましての作品も、どうぞご堪能ください。
ふたりの少年が建物の前でゲームに興じています。作品からは、勝負に熱中するふたりの緊張感が伝わってきます。この写真でとくに目を引くのは、地面や建物に落ちる光の表現ではないでしょうか。地面に落ちる光は、少年たちを照らすスポットライトであり、彼らの真剣勝負の舞台をも形づくっています。また、