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【レポート】ついに淺井裕介さんの新作が完成し、横浜美術館に搬入!タイトルも決定!!

これまで3回にわたって、淺井裕介さんの作品制作プロジェクト(※本レポート下部参照)の舞台裏をレポートしてきましたが、いよいよ今回が最終回。ついに完成した作品が、2024年3月22日(金)に横浜美術館に搬入されました。普段はあまり表に出ることのない搬入時の様子を、写真で少しご紹介します。

2トントラックで搬入。
厳重に梱包された9枚のパネルを、美術作品専用の台車へ慎重に移していきます。


9枚のパネルを1枚ずつ撮影し、搬入時の状態を記録。
松永学芸員がとても嬉しそうな顔をしています。


美術品専用のクリーニングシートを使って、作品裏面の微小なホコリなどを拭き清めているところ。美術館は、作品が搬入された瞬間から、作品を守る責任を負います。真剣です。


作品のタイトルは《八百万の森へ(やおよろずのもりへ)》に決定しました。
高さ325㎝ × 幅390㎝ という大きな作品は、9枚のパネル(大きさは4種類)に分割できるようになっていて、組み合わせ方によって様々な表情が現れます。

淺井さんの作品は建物の壁や床に直接描かれることが多いため、完成後は動かすことができなかったり、展覧会の終了とともに消えてしまったりすることが少なくないのですが、この作品は横浜美術館の新収蔵作品として大切に保管され、今後は何度も展示することができます。その度にパネルの組み合わせの変化で、私たちを楽しませてくれそうですね。

横浜市が「横浜信用金庫創立100周年記念寄附」によって、淺井裕介さんに作品制作を依頼すると発表したのは2023年6月のこと。以降、8か月にわたって、絵具の素材となる「土」を横浜のあちらこちらから集めたり、その土で絵具を作ったり、横浜信用金庫様の支店内やBankART Stationのオープンスペースで公開制作をしたり・・・。ご協力いただいた全ての皆さまに、改めて心より感謝を申し上げます。
この作品の制作現場では、たくさんの人々の交流が生まれました。その記憶や記録もこの作品の一部として、横浜美術館は未来に向けて守っていきます。

淺井裕介 《八百万の森へ》
2023年  / H 325×W 390cm(可変)
横浜を含む日本各地の土、アクリルレジン、木炭、鉛筆、弁柄、9枚の木製パネル
横浜信用金庫創立100周年記念寄附による購入  撮影:坂本理

近い将来、この作品を皆さまにお披露目できる特別な機会を作れれば・・・と、企画を検討中です。1日も早く実現できますように!

横浜美術館 渉外担当

~本プロジェクトの過去のレポートはこちら~
【レポート】淺井裕介さんの作品に用いる「土絵具」を、皆で力を合わせて作りました!
【レポート】横浜信用金庫3つの支店で淺井裕介さんが公開制作を行いました
【レポート】BankART Stationの臨時スタジオで作品制作を進めました

※現代美術家 淺井裕介さんが手がけた本プロジェクトは、横浜信用金庫様が創業100周年を記念して行った、横浜市文化基金への寄付によって実現しました。(参照:横浜市ウェブサイト「横浜市長の部屋」
完成した作品は横浜美術館に収蔵されるため、私たちはこの作品の制作進行をサポートしました。


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