ステンレスと漆の融合。新たな漆芸の可能性を追求する作家・赤堀郁彦
横浜美術館のコレクション(所蔵作品)の中には横浜市内18区と関連する作品があるのをご存知ですか?
横浜の風景が描かれた作品、横浜出身の作家や横浜を拠点に制作活動にはげんだ作家の作品など、数多く所蔵しています。
今回は、現在も制作活動を続けている、栄区ゆかりの作家・赤堀郁彦についてご紹介します。
赤堀郁彦《Dream for the 21st Century》
1999年
木、漆、金箔、着色したステンレス h. 144.1 × w. 108.9cm
横浜美術館蔵
赤堀郁彦(1936生)は、栄区を拠点に、漆芸における新しい表現の可能性を追求してきた作家です。漆地に象牙や貝類をはめこむ横浜の地場産業、芝山細工の技術保存にたずさわる一方で、ステンレスやチタンなどの工業素材を漆にとりいれた、斬新な作品を発表してきました。
真っ暗な空間に光る幾何学的な物体が浮かぶこの作品には、雄大な宇宙と、エネルギッシュな人々の営みが共生する、「未来への夢」がこめられています。漆地に金属の薄い板をはめこむ漆芸の伝統的な装飾技法を用いながら、磨き分けや着色により加工されたステンレスが巧みに活かされ、現代の建築空間との調和をめざした作家の意図がみてとれます。
横浜美術館では本作のほかにも赤堀郁彦の作品を所蔵しています。
ほかの作品について知りたいと思ったかたは「コレクション検索」をチェックしてみてくださいね。
横浜美術館スタッフが18区津々浦々にアートをお届け!「横浜[出前]美術館」
現在、大規模改修工事のため、長期休館中の横浜美術館。
お休みのあいだ、学芸員やエデュケーター(教育普及担当)が美術館をとびだして、レクチャーや創作体験などを市内各地におとどけする「横浜[出前]美術館」!その様子をレポートします。
第2弾は、栄区の横浜市栄区民文化センターリリスにうかがい、学芸員によるレクチャー「青い目のサムライ登場!~幕末の横浜で出会う和洋折衷オモシロ絵画『横浜絵』~」を開催しました。
あわせて、18区の魅力を発見する、講座参加者の皆さんにきいた「みんなに伝えたい!わたしの街のいいところ」もぜひご覧ください。
▶「アートでめぐる横浜18区」栄区編
作者も作品名も制作年もわからない!?謎多き《外国人男性和装像(仮題)》。