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消しゴムスタンプで「オリジナルのエコバッグをつくろう」。

「横浜[出前]美術館」 ―磯子区編―

現在、大規模改修工事のため長期休館中の横浜美術館。
お休みのあいだ、横浜美術館の学芸員やエデュケーター(教育普及担当)が美術館をとびだして、レクチャーや創作体験などを市内各地におとどけする「横浜[出前]美術館」!

第4弾は、磯子区の横浜市磯子区民文化センター杉田劇場にて、「オリジナルのエコバッグをつくろう」をお届け!その様子をレポートします。
そのほか、18区の魅力を発見する「みんなに伝えたい!わたしの街のいいところ」、18区ゆかりの所蔵作品や作家をご紹介する「横浜美術館コレクション×18区」の特集もお楽しみください。

世界でひとつだけのマイエコバッグ

講座名:「オリジナルのエコバッグをつくろう」
開催日時:2021年12月18日(土) Aコース10時~11時/Bコース13時~14時
開催場所:横浜市磯子区民文化センター杉田劇場 ギャラリー
講師:横浜美術館 エデュケーター(教育普及担当)
対象:4歳~小学生とその保護者
参加人数:Aコース6組16名/Bコース5組12名

今回、会場となったのは磯子区にある横浜市磯子区民文化センター杉田劇場。
文化活動の練習・発表を行う施設の貸し出しのほか、コンサートや様々なジャンルの芸術文化の紹介、まちの賑わいづくりなど、地域のみなさまが ~つどい~つながり~さらに広がる “地域の文化拠点”として、様々なかたちで“地域と一緒にできること”に取り組んでいる施設です。

12月のクリスマス前、施設のなかはクリスマスの飾りがいっぱいで、アットホームな雰囲気でした。
クリスマスツリーのほか、杉田劇場のスタッフのみなさんの手作りの飾りも!
お客さまへのおもてなしの心が感じられて、とても温かい気持ちになりました。

杉田劇場ロビー
手作りのクリスマス飾り

講座は午前と午後の2回。
小さなお子さまも簡単に楽しくつくれる、「オリジナルエコバッグ」をつくるワークショップを開催しました。
材料は、消しゴム、布専用のクレヨンとスタンプインク、無地のバッグ。
無地のバッグに好きな絵を描いたり、丸や四角などさまざま形をした「消しゴムスタンプ」で模様をつけたりして、オリジナルデザインのエコバッグをつくりました。

講師作品

まずは「消しゴムスタンプ」をバッグに押す前に、紙にスタンプを押す練習。
消しゴムに好きな色のインクをつけて、紙に押しあてたあと、上から軽く押さえて、そのまま5秒待つのが上手く押すコツ。
練習した紙を額にいれると、なんと作品に変身します!
慣れてきたら、いよいよ本番。バッグにスタンプを押していきます。


構図をじっくり考えたり、下書きを書いてから作業をしたり、はじめから大胆に絵を描いたり、消しゴムスタンプだけで模様を作ったりと、それぞれ作業工程やバックの模様に性格や個性が見てとれます。
保護者の方が作ったバックも素敵な作品ばかりでした。

最後の仕上げはアイロンがけ。熱でクレヨンやインクの色を定着させて完成です。


― 参加者のみなさんの作品 ―

*新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、ガイドラインを遵守した対策を講じた上で実施しています。

▶︎「横浜[出前]美術館」開催予定の講座はこちら

18区の魅力発見!講座参加者の皆さんにきいた「みんなに伝えたい!わたしの街のいいところ」

横浜のことを知っているのは、よく訪れたり、住んでいる方々!
講座参加者の皆さんの声から磯子区の魅力をご紹介します。

のんびり過ごせる公園がたくさん。海も身近な磯子区のおすすめスポット

●ゆったりのんびりとした区です。新杉田公園、久良岐公園などの、のんびり遊べるスポットもたくさんあります(磯子区在住、30代)
●磯子区図書館の子ども向けの本が充実しているところ(居住地区不明、30代)
●海が近い(中区在住、40代)
●交通の便の良さ。車がなくとも必要なものが大体そろう(磯子区在住、30代)
●まちと人のバランスがよいと思います(中区在住、40代)
●海があって富士山がみえるところ(鶴見区在住、40代)


「横浜美術館コレクション×18区」

当館のコレクション(所蔵作品)の中から、横浜市内18区ゆかりの作品や作家をご紹介します。 

チャールズ・バートレット《横浜根岸の雪》
1916年
多色木版 h. 35.6 × w. 23.0cm
横浜美術館蔵

大雪の中を行く行商人が運んでいるものは?
「新版画」にみる大正時代の根岸の情景。

海を臨む集落に降り積る雪の中を行く、三人の人物―。江戸後期に歌川広重が描いた有名な浮世絵《東海道五拾三次とうかいどうごじゅうさんつぎ 蒲原夜之雪かんばらよるのゆき》にも通じる、静かな詩情に満ちています。作者は大正期に来日したイギリス人。水彩画家として活躍していたバートレットはアジアへの旅で訪れた日本で、東京の版元・渡邊庄三郎に出会い、「新版画」に取り組みました。「新版画」とは、江戸の浮世絵の伝統を新しい時代に受け継ぐことを目指し、渡邊が提唱した木版画のことです。

この版画が作られた当時、根岸や磯子には遠浅の豊かな海が広がり、沿岸には漁師の家々が並んでいました。手前の棒手振ぼてふり(行商人)が天秤棒にぶら下げたたらいには、根岸湾の冬の恵みが入っていたことでしょう。丘の上に商いに出かけた帰りなのか、横浜では当時も珍しかったはずの大雪に足が埋まり、バランスを取りながら歩くのが大変そうです。異国への旅を愛したバートレットが、浮世絵の典型的な構図や色彩に関心を寄せるに留まらず、訪ねた地の人々の暮らしにも細やかな眼差しを注いでいたことがわかります。

――みなさんもぜひ磯子区を訪れてみてくださいね――

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