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絵からどんな歌がきこえる?―旭区ゆかりの女性画家、岡本彌壽子が描く《幻(捧げるうた)》

横浜美術館のコレクション(所蔵作品)の中には横浜市内18区と関連する作品があるのをご存知ですか?

横浜の風景が描かれた作品、横浜出身の作家や横浜を拠点に制作活動にはげんだ作家の作品など、数多く所蔵しています。

今回は、旭区ゆかりの作品、岡本彌壽子やすこ《幻(捧げるうた)》についてご紹介します。

岡本彌壽子《幻(捧げるうた)》
1988(昭和63)年
紙本着色、h.190.0 × w.120.0cm
横浜美術館蔵

岡本彌壽子やすこは横浜市旭区白根を拠点に、生涯にわたって女性を描き続けた、横浜ゆかりの画家です。絵の少女たちは、作家が勤めていた山手のミッションスクール、横浜共立学園の生徒たちが元になっているといいます。この作品は、楽譜を開いて讃美歌を歌っているところでしょうか。岡本の作品には、しばしば十字架やロウソク、ヴェール、折り鶴、初詣、七夕、花供養といった、風習や宗教的要素が登場します。木炭で引いたような不均一な線、かすれたように塗り重ねた淡い色といった特徴は、人の思いや願い、祈りといった、かたちのないものを伝えるためにたどりついた表現だったのかもしれません。

※この作品の著作権継承者について調査いたしましたが、2022年5月18日現在、ご所在を確認することができませんでした。本件につきお心当たりがございましたら、横浜美術館にご連絡ください。

横浜美術館では、本作のほかにも、岡本彌壽子やすこの作品を所蔵しています。ほかの作品について知りたいと思ったかたは「コレクション検索」をチェックしてみてくださいね。

▶これまでの「横浜美術館コレクション×18区」はこちら

横浜美術館スタッフが18区津々浦々にアートをお届け!「横浜[出前]美術館」

現在、大規模改修工事のため、長期休館中の横浜美術館。
お休みのあいだ、学芸員やエデュケーター(教育普及担当)が美術館をとびだして、レクチャーや創作体験などを市内各地におとどけする「横浜[出前]美術館」!その様子をレポートします。

第9弾は、旭区の横浜市旭区民文化センター サンハートにうかがい、学芸員によるレクチャー「現代工芸の世界――素材と技法を手がかりに」を開催しました。

あわせて、18区の魅力を発見する、講座参加者の皆さんにきいた「みんなに伝えたい!わたしの街のいいところ」もぜひご覧ください。

「アートでめぐる横浜18区」旭区編
横浜美術館所蔵作品とたどる、現代工芸の魅力

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