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現実の中の幻想的な一瞬、光と影を描く作家の代表作ー山本貞《地の光景》

横浜美術館のコレクション(所蔵作品)の中には横浜市内18区と関連する作品があるのをご存知ですか?

横浜の風景が描かれた作品、横浜出身の作家や横浜を拠点に制作活動にはげんだ作家の作品など、数多く所蔵しています。

今回は、港北区ゆかりの作品、山本貞《地の光景》についてご紹介します。

山本貞《地の光景》1996(平成8)年
油彩・カンヴァス 162.1×259.1cm
横浜美術館蔵(作家寄贈)
2021年度新収蔵

強い日差しが地表につくり出す、樹木の大きな影。木漏こもれ日を背に浴びながら、土と草の手触りを感じ、少年は地面の何かに視線を集中させています。季節が夏であれば、あたりはせみの声に包まれ、その先に周囲の街の騒音も、かすかに響いていそうです。けれども、そういった世界の様相は、夢中に遊ぶ少年の感覚からは、はるか向こうに遠ざかって、むしろ静けささえ感じているでしょうか。時が止まってしまったかのような、音もなく、動きもない、現実の中の幻想的な一瞬。光と影を追求し続ける作者の、横浜市港北区・大倉山公園に取材した代表作です。

横浜美術館では本作のほかにもさまざまな作品を所蔵しています。
ほかの作品について知りたいと思ったかたは「コレクション検索」をチェックしてみてくださいね。

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横浜美術館スタッフが18区津々浦々にアートをお届け!「横浜[出前]美術館」

現在、大規模改修工事のため、長期休館中の横浜美術館。
お休みのあいだ、学芸員やエデュケーター(教育普及担当)が美術館をとびだして、レクチャーや創作体験などを市内各地におとどけする「横浜[出前]美術館」!その様子をレポートします。

第14弾は、港北区の慶應義塾大学 日吉キャンパス 来往舎にうかがい、学芸員によるレクチャー「ミュージアム・コレクションの未来」を開催しました。

あわせて、18区の魅力を発見する、講座参加者の皆さんにきいた「みんなに伝えたい!わたしの街のいいところ」もぜひご覧ください。

▶「アートでめぐる横浜18区」港北区編
●コレクションからみる現代美術の背景と未来


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