見出し画像

カラリストの真骨頂、色の魔法使い。ー高間惣七《カトレアと二羽のインコ》

横浜美術館のコレクション(所蔵作品)の中には横浜市内18区と関連する作品があるのをご存知ですか?

横浜の風景が描かれた作品、横浜出身の作家や横浜を拠点に制作活動にはげんだ作家の作品など、数多く所蔵しています。

今回は、金沢区ゆかりの作品、高間たかま惣七そうしち《カトレアと二羽のインコ》についてご紹介します。

高間惣七《カトレアと二羽のインコ》
1973年(昭和48)
油彩、カンヴァス h. 45.5 × w. 53.0cm
横浜美術館蔵(高間米太郎氏寄贈)

一見すると、色の強さに惑わされ、インコ二羽は、すぐにそれとはわからないかもしれません。やがて、赤と緑のインコが、動きのある姿で描かれているとわかります。インコと黄色いカトレアのほか、紺、緑、ピンク、白など、多くの色それぞれは、物の形をかたどっているようには見えません。けれども、それらの色が強く響き合うことによって、画面に力強い躍動感が生まれています。色彩の効果を重視したこの画家の特色が表れています。

高間が、金沢区の海沿いに住み始めたのは、1935年(昭和10)。以来、自宅で亡くなるまで約40年間、ここに住み、制作を続けました。横浜美術館は、色彩豊かな高間作品を多く収蔵しています。自宅からの眺めを描いた絵もあります。

横浜美術館では本作のほかにも高間惣七の作品を所蔵しています。
ほかの作品について知りたいと思ったかたは「コレクション検索」をチェックしてみてくださいね。

▶これまでの「横浜美術館コレクション×18区」はこちら

横浜美術館スタッフが18区津々浦々にアートをお届け!「横浜[出前]美術館」

現在、大規模改修工事のため、長期休館中の横浜美術館。
お休みのあいだ、学芸員やエデュケーター(教育普及担当)が美術館をとびだして、レクチャーや創作体験などを市内各地におとどけする「横浜[出前]美術館」!その様子をレポートします。

第7弾は、金沢区の長浜ホールにうかがい、学芸員によるレクチャー「横浜を代表する日本画家 下村観山の生涯と作品」を開催しました。

あわせて、18区の魅力を発見する、講座参加者の皆さんにきいた「みんなに伝えたい!わたしの街のいいところ」もぜひご覧ください。

「アートでめぐる横浜18区」金沢区編
古典の素養をベースに、新しい挑戦を続けた下村観山