凛とした佇まいのあなたは?―エドガー・ドガ《ルーヴル美術館考古展示室にて、メアリー・カサット》
13,000点をこえる横浜美術館のコレクション作品から、毎月選りすぐりの1点をご紹介するシリーズ。学芸員がコンパクトに解説します。おなじみの作品も、はじめましての作品も、どうぞご堪能ください。
つばのある帽子をかぶり、ウエストをしぼった大きな襟の上着をきこなす女性。彼女は当時の最新ファッションに身を包み、パラソルではなく男性用の雨傘を手にしています。彼女はドガの弟子であった画家メアリー・カサット。そして、その横に座る女性はカサットの姉がモデルになっていると目されます。当時のルーヴル美術館は、上流階級の女性にとって自由に出入りできる数少ない場所でした。この作品では、彼女たちが古代の棺をみる場面が描かれています。カサットの洗練された後ろ姿と、隣で本を読む姉からは知性が感じられ、そこには近代の自立した女性の姿をみることができます。
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