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スフィンクスに登ってる奴は、誰だ?ーアントニオ・ベアト《遣欧使節とスフィンクス》

13,000点をこえる横浜美術館のコレクション作品から、毎月選りすぐりの1点をご紹介するシリーズ。学芸員がコンパクトに解説します。おなじみの作品も、はじめましての作品も、どうぞご堪能ください。


アントニオ・ベアト《遣欧使節とスフィンクス》1864年(元治元年)
アルビュメン・シルバー・プリント/h. 25.2 × w. 30.1cm/横浜美術館蔵


エジプトのスフィンクスの前。ここに写るのは、江戸時代の終わり、幕府からヨーロッパに遣わされた武士たちです。国内の混乱と外交の問題の解決に向けて、まずナポレオン3世を訪ねるため、フランスに向かう途中でした。

この10年あまり前の写真は、数分のあいだ静止していないと撮れませんでした。けれども、数秒で撮れる時代になっていたため彼らは、スフィンクスに登る者など、思い思いの姿で写っています。彼らの使命は、すでに開いた横浜の港をふたたび閉ざす難しい交渉でもありました。がしかし横浜の港は閉ざされることなく、後に発展できました。また撮影者のアントニオの弟、フェリーチェ・ベアトも写真家で、横浜で活躍しました。

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