![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80648077/rectangle_large_type_2_1a61f5a40e31e2b94d8ef282f695fcac.png?width=1200)
維新の光―小林清親《東京新大橋雨中図》
13,000点をこえる横浜美術館のコレクション作品から、毎月選りすぐりの1点をご紹介するシリーズ。学芸員がコンパクトに解説します。おなじみの作品も、はじめましての作品も、どうぞご堪能ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1655176906479-JgCdcNvIIQ.jpg?width=1200)
木版/h. 21.5 ×w. 33.2 cm/横浜美術館蔵(加藤栄一氏寄贈)
きものの裾をからげて歩く、後ろ姿の女性。橋を行く人もみな傘をさしていますが、彼女の足もとの水たまりはしぶきを上げておらず、雨は小降りになってきたようです。水平線から立ちのぼる陽光に空の色はうつろい、川の面もシマシマにきらめいています。
幕末に武士の子として生まれた小林清親は、新しい明治の社会で浮世絵師になりました。大きな政変によって支配層が入れかわり、異国の文物が次つぎ流入してきても、日々のくらしは緩やかにしか変わり得ないもの。江戸から東京に名を転じた町を変わらず流れる隅田川と、その上に少しずつ広がっていく雨後の光に、清親は、維新の世情をかさねて見たのかもしれません。
横浜美術館「コレクション検索」(収蔵品データベース)はこちら
★オリジナル待ち受け画面をプレゼント!★
「今月の1点」の作品をデザインしたスマートフォン待ち受け画面を、「横浜美術館メールニュース」の読者へプレゼントします。待ち受けに設定し、作品への愛着を深めてくださいね。
メールニュースの配信は毎月1回、月末頃です。ご登録はこちら!