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1930年代、摩天楼、電気の光―ベレニス・アボット《ウェストサイド、上空より北を見る》

13,000点をこえる横浜美術館のコレクション作品から、毎月選りすぐりの1点をご紹介するシリーズ。学芸員がコンパクトに解説します。おなじみの作品も、はじめましての作品も、どうぞご堪能ください。


ベレニス・アボット《ウェストサイド、上空より北を見る》1935年
ゼラチン・シルバー・プリント/h.33.5 × w.26.0 cm/横浜美術館蔵


狂騒の20年代とよばれる経済発展を遂げ、社会や日常生活が大きく変化したアメリカ。この写真には、経済大国アメリカの躍進をあらわす、光り輝く夜のマンハッタンが広がっています。おそらくは、まばゆいビルの光だけで撮影された一枚でしょう。もうひとつ目を引くのが、そびえ立つビル群が織りなす都市の立体感です。アボットは写真家になる前に彫刻を学んでいました。建設と解体を繰り返す都市を立体的な造形として見ようとするまなざしは、こうした経歴からきているのかもしれません。アボットは、さまざまな角度からニューヨークの姿を写しとり、写真集『変わりゆくニューヨーク』を出版しました。

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