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改修工事中の仮囲いに若手アーティストの作品が登場!女性と熊(??)のダンス―村上早《おどり》

毎月選りすぐりの1点をご紹介するシリーズ。今月は、2022年3月12日(土)より始まった、工事中の横浜美術館の仮囲いを使ったプロジェクト「New Artist Picks: Wall Project 村上早むらかみさき | Stray Child」出品作品よりお届けします。


村上早《おどり》2021(令和3)年
リフトグランド・エッチング、アクアチント、スピットバイト/h. 150×w. 118 cm


舞台のうえで踊る女性と熊。女性の体は弓なりにそり、熊は口を大きくあけて、二人のダンスはクライマックスを迎えているかのようです。

ここで使われているリフトグランド・エッチングという技法は、銅版に筆で描いた線をそのまま腐食させることができる方法です。ほかの銅版画の技法と比べ、作家の筆運びがそのまま版上に再現されるため、のびやかな線と腐食によるインクの濃淡を生かした表現が可能になります。

ところで、作品をよく見ると、女性の体を支える手は、熊ではなく人間のものであることに気づきます。この熊は一体何者なのでしょうか。村上早は、人間と動物の境界を曖昧にし、両者が同等の存在として社会生活を営むような姿を描き出します。

[New Artist Picks: Wall Project 村上早 | Stray Child]はこちら


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