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vol.1 洞窟の女神の正体は!?ギュスターヴ・モロー《岩の上の女神》

13,000点をこえる横浜美術館のコレクション作品から、毎月選りすぐりの1点をご紹介するシリーズ。学芸員がコンパクトに解説します。おなじみの作品も、はじめましての作品も、どうぞご堪能ください。

6.ギュスターヴ・モロー《岩の上の女神》

ギュスターヴ・モロー 《岩の上の女神》 1890年頃
水彩・グワッシュ、紙/ h. 30.2 × w. 19.7cm /横浜美術館蔵(坂田武雄氏寄贈)

うす暗い洞窟のなかで光り輝く女神。右腕に巻きつく緑の大蛇や頭上を舞う黒い鳥。きらびやかな岩肌を背にしたその表情は、もの憂げにも、いたずらっ気をたたえたようにも映ります。

おそらくは、モローの好んだ「ファム・ファタル」(聖書や神話に登場する、男を破滅させる「運命の女」)の女性像がいくつか混ぜ合わされたものです。しかし、その典拠は明らかではありません。また体つきを見れば、にわかには性別の判断もつかなくなります。

タイトルで女神という名で呼ばれた者の正体は、はぐらかされ続けるのです。こうした不確かさこそが、この女神(?)のもつ魅力の源なのでしょう。

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