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ティモシー・オサリヴァン《ショショーニ滝、スネーク川、アイダホ 正午の眺め。隣接する岸壁の高さ約1,000フィート》

14,000点をこえる横浜美術館のコレクション作品から、毎月選りすぐりの1点をご紹介するシリーズ。学芸員がコンパクトに解説します。おなじみの作品も、はじめましての作品も、どうぞご堪能ください。

ティモシー・オサリヴァン《ショショーニ滝、スネーク川、アイダホ 正午の眺め。隣接する岸壁の高さ約1,000フィート。》1874年
鶏卵紙 /20.0 x 27.4 cm
横浜美術館蔵

ここに写されているのはアメリカ北西部のアイダホ州にあるショショーニ滝です。撮影当時、アメリカは西部開拓時代でした。オサリヴァンは、政府が実施した西部の地質と天然資源に関する4大調査のひとつに参加しました。写真左下に写る男性の大きさから、この滝と渓谷の雄大さが伝わってきます。オサリヴァンは、この写真のように広大な自然の空間をひとつのフレームのなかで構成する能力に長けていました。手つかずの自然がもつ驚異的な力や存在感を、そのまま写真に写し出そうとする手法は、のちにアメリカで風景写真に取り組む写真家たちに多大な影響を与えました。

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