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まばゆくも長閑な夏のひとときを描く―中島清之《椿笑園の主達》

13,000点をこえる横浜美術館のコレクション作品から、毎月選りすぐりの1点をご紹介するシリーズ。学芸員がコンパクトに解説します。おなじみの作品も、はじめましての作品も、どうぞご堪能ください。


中島清之《椿笑園の主達》1970(昭和45)年
紙本着色/h204.8 x w146.8 cm
横浜美術館蔵


1970年、中島清之きよしは長く住んだ横浜の大岡町(現・南区大岡)を離れ、現在の青葉区恩田町に転居しました。清之は自然豊かな恩田の里山を愛し、毎日のスケッチ散歩を欠かしませんでした。この絵のモデルは、清之が散歩がてらよく訪れた町内の友人で、政治家の鈴木憲一と書家の小江夫人。二人は椿の熱心な愛好家で、椿の木に囲まれた自邸を「椿笑園ちんしょうえん」と呼んだそうです。清之は夫妻の夏の午後ののどかな時間を、縁側にいる訪問者の視点で描きました。手前の犬や猫、畳の目の細かな描写と、奥の人物や生け垣の抽象的な描き方の対比が印象的です。日差しのまばゆさを強調するかのように、人物の輪郭に鮮やかなオレンジ色が効果的に使われています。

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